どの家も兄弟のあり方に

難しさがある。

兄弟が協力すれば家も族も大きくなるが、

兄弟がそねみあうと家運に憔悴の影が射す。

「彦よ、牧野の兄弟を忘れたか。

父子、兄弟がどれほど睦まじくても

時代には計り知れない深淵があり、

そこに落ちれば家もろとも滅ぶ。

すなわち、家族と家臣を救おうとして、

かえってすべてをすてて、

虚空を飛ばねばならぬ時がある。」

風は山河より から

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